画家 齋藤芽生の日記
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「最涯商店」展 終了御礼
コロナ禍で人々の行動にも変化があり、当初は来客があまりないのではないかと思っていた。
それでも頭の中に次々浮かび来るアイディアは「絵に描かれる」ことを要求してくるので、やはり描かざるを得ない人生。リモートワークによって通勤時間が減ったぶん、本業の画業と向き合う時間がたっぷりできたのも今年だった。言葉を変えれば、逃げようにも逃げられない状況。とにかく一つ一つの仕事を丁寧にすっ飛ばさずにじっくり描き上げた。
蓋を開けてみれば、これまでの個展を大きく上回る数の来客で賑わう結果となった。
今まで知らなかった色々な人々に興味を持って見ていただけたことが嬉しいし、逆に本当に見て欲しい人々にも見せることもできた。
昨年の目黒区美術館「齋藤芽生とフローラの神殿」の影響がとにかく大きく、人生の中であのような機会に恵まれたということの意味を、改めて噛みしめる事もできた。
「最涯商店」はもう何年も温めていたアイディアで、満を辞して第一陣が出てきたのだけれど、そのテーマが発端となって画廊のオーナー高砂さんのアイディアが炸裂。「ギャラリーの一部は本当に商店にしてしまおう」との一声で、いつもの私だけの個展とは全く違う盛り上がりを見せる展示となったのである。今まで影で私のインスタレーションや衣装を製作し支えてくれていた母の手仕事を、改めてお披露目する機会ともなったのだ。
普段、私の衣服をオーダーメイドのように仕立ててくれる母。そのデザインは完全なる母のものもあるし、私が布地を選んで注文をつけることもあるし、半々だ。
しかし今回は、あまり注文をつけず好きなようにやってもらった。布の組み合わせで魅了するだけではなく、なんと今まで彼女があまり興味を示さなかった「刺繍」で攻めているのを知った時はびっくりした。
派手な柄の組み合わせではなく、季節の情緒を感じさせる、色彩としての空気の上に、蜘蛛や蜻蛉や烏瓜の蔓が儚く揺れている。「あなたの絵の世界を壊さないように」と言ってくれた母の仕事は、ストイックながらも品格があり贅を尽くしたものになっていった。
「商売」のために何かを作ろうとすると途端にやる気がなくなったり、萎縮するので、とにかく自分の欲望のままにイメージと向き合うことが信条の、母と私だ。
だが一方で、この世界観に興味を持つ来客と様々な話をしながら「商店」をいつか開くことも夢だったのだ。
その夢を叶えてくださった高砂さんに、深く感謝するばかりだ。
本当に、楽しい製作展示だった。ご来場いただいた方々、心より御礼申し上げます。
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by meo-flowerless
| 2020-10-18 23:29
| 告知