画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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仮眠景21・殴り雪

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冬の閑散とした海辺の住宅地の駅前を歩いていた。
海岸沿いに曲がっていこうとするその角、大型の真白なバンが、カーステレオ音楽の大きな音を立てている。
煩いな、と思ってそっちを見た。
すると、海に面したドライブスルーに入ろうとしていたそれが、私の一瞬の視線を察知するかのように、進路を変えゆっくりバックし始めたのだった。



相手はスモークガラスの、運転手の見えない車だが、確実に目が合った感じがあった。
私は何気なくきびすを返し、駅の方に戻り始めた。白い車がターンして、ゆっくり私の後方に回り始めた。
付け始めたのである。
心臓がばくばくする。走り出すわけにも行かない。心当たりは無いから、変な動きをしたくもない。




途中の路地でくるっと左折して車をまいた。車の音楽はすーっと通り過ぎ、駅の方へ行った。
まいたあとは、死物狂いで住宅街を走った。次第に泣けてきて、足も縺れるようだ。
あの車のカーステレオの音楽がまだ街のどこかに響いているが、それはゴミ車のオルゴール音楽のようなものに変わっている。
執拗に、オルゴール音楽の松任谷由実の『守ってあげたい』を鳴らしている。

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# by meo-flowerless | 2014-01-20 06:21 |

短編小説集『香星群アルデヒド』連載開始

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短編小説と絵による連載、齋藤芽生『香星群アルデヒド』が始まりました。
URLはこちらです。


http://www.gei-shin.co.jp/comunity/27/index.html

毎月二回更新の読切短編小説です。絵も小説もほぼ書き下ろし予定。
自分に取っては、イメージを発散できて楽しめる仕事になりそうです。

毎回読み切りの短編。
表紙ページの各小説のタイトルをクリックして、本文にお進みください。

芸術新聞社さんのページ、「ART ACCESS」の連載のうちの一つ。
今後ぜひお楽しみください!
# by meo-flowerless | 2014-01-12 19:59 | 告知

1/18、芸大油画4年卒業作品学内展示へ!

これ、絶対来てみて欲しいです。

平成25年度東京芸術大学・美術学部絵画科油画専攻

卒業作品学内展示 
ー アトリエでの一日限定公開ー

会期:2014年1月18日(土)9:00~17:00
会場:東京芸術大学上野校地 絵画棟5,6,7階アトリエ および 木工室前
観覧料:無料
レセプションパーティー: 18:00~ 東京芸術大学上野校地 大浦食堂



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本年度の油画学部生の卒業制作は従来の東京都美術館をはじめとする卒業作品展に先駆けて、学内アトリエを広域に利用し、より自由で魅力的な発表を可能とする展示を一日限定で公開致します。平面にとどまる事無く、空間を活かした展示形式、立体作品、映像作品など、絵画の可能性を広げる若々しい発想のもと、多岐にわたる表現が試みられています。
同日レセプションパーティーも行いますのでふるってご参加ください。


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# by meo-flowerless | 2014-01-10 22:56 | 告知

日記

人が集まって白紙から何かを作ることそのものよりも、
既に色が付いて重さのある複数の人生がどうしようもなく交錯すること、の方に、
自分は多くを学んだ気がする。
その重さや傷が身体にあって初めて、ではその身体を使って白紙から描いてみようか、
と言えるんだと思う。

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# by meo-flowerless | 2014-01-10 14:02 | 日記

仮眠景20・銀砂子

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旅館の廊下は、物凄く長い。暗くて、もう二部屋先の様子は見えないほどだ。
遠い部屋の人に、緊密に切実に話したいことがあり、電話をかける。
電話機は、昔風の黒電話だ。相手の声が肝心の所で途切れてもどかしく思う。
ふと見ると、実はそれは黒電話ふうの糸電話だった。



顔も場所も見えない相手に対し、なんとか糸をピンと張るよう、闇をあちこち動きまわる。
糸の調節に疲れはてた頃、自分のどこかから、ずるずると電話機の渦巻コードが垂れ下がっているのに気づいた。
腹部から垂れ下がっているのだ。
コードの先に別の受話器があるかもしれない、と辿っていく。
明かりが漏れている近くの部屋をそっと覗くと、そこに浴衣姿でいる、別の誰かの腹部に繋がっていた。
「そうか、臍の緒なんだ」
と呟いてしまった瞬間、遠い糸電話の相手が、思い切り張り詰めた糸を一方的にぶった切ってきた。
弾みで飛んできた向こうの紙コップ受話器が、私の頬を激しく打った。


.......

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# by meo-flowerless | 2014-01-07 23:55 |

仮眠景19・苺

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もう長いこと、覆面で共同作業している。
覆面は、鉄工所で火花を除けるマスクのようなものだ。
人に言ってはいけない内容の仕事らしい。
共同作業者の表情も声も分からず、腹の内が分からないので、最初はまさかこの一連の作業のやり取りがケーキを作っている作業だなんて、自分でも思わなかった。



けれど現にショートケーキが出来つつある。
作る喜びを分かち合うことは未だ出来ていないが、最高の下地が出来ていることは確かだ。
手探りのようにしてクリームも塗った。
苺を乗っけるときだけは、どうか相手に覆面と手甲を外して欲しい。
素手と素顔で苺を乗せてほしい。
と切に願っている自分がいるが、それが叶うかどうかは相手次第である。



......

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# by meo-flowerless | 2014-01-05 05:55 |

ノートの最終頁

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新年会はカラオケ会なのだが、最近歌を怠っているので、若干焦る。カラオケ人の習慣のような焦りである。
カラオケを本気でやる人なら分かると思うが(本気でやる人にしか分からないと思うが)、自分の得意曲リストというのは案外大事である。とくに「カラオケ本体の各曲の設定キーが、自分の音域に合うか合わないか」を、把握していることが大事だ。例えば私が森進一の唄を歌いたくても、原曲キーが低すぎる場合は「+2」など音域をあげて歌う。唄の途中でこの作業をやるのがいやなので、得意曲の最適音域はあらかじめメモっておいたりする。



自分の場合は、メモ帳やノートの一番最後の頁などに、この曲リストと最適キーを殴り書きメモしてあることが多い。「暗い港のブルース +5」とか。
iphoneや手帳にやればいいのだが、だいたいカラオケ中に焦って、かばんからその日たまたま持っているノートを取り出して走り書くので、そうなってしまう。



今日その自分の習慣を思い出し、膨大な量の創作ノートやメモや日記の最終頁をあさって、明日歌いたい曲のキーをメモしてないかどうか探しているんだけど、こんな時に限って、ない。

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# by meo-flowerless | 2014-01-04 01:41 | 絵と言葉

うま年はんこ

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うま年はんこを作った。
年が明けてから作った。消しゴムはんこは難しいね!
作るのに根を詰めすぎて、もう葉書にはんこを押す余力が残っていない。体調悪い。寝る。
でも気に入った。


……


2日未明を初夢とするなら、自分がテルミン奏者で、「テルミンの女王」というCDを出す準備をしている夢だった。何故か時計の文字盤に手をかざし、1時が一曲目、2時が二曲目、という要領で、フィーンと音鳴らしてレコーディングしていた。こっちの夢の方が昨日のより、いい。
# by meo-flowerless | 2014-01-02 03:39 | 絵と言葉

正月

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みなさま、あけましておめでとうございます。
乾かず、ツヤありで行きましょうね。


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仮眠景・初夢


途中まではよく敵の動きを読んで動けていたのに、駅前で失敗した。
相手の懐に入り過ぎ、逃げ後れた。隠れるしかなかった。
ブロックでいくつかに仕切られたごみ捨場の壁際に、相手から死角になるよう、身体をよせた。
数人の敵は気付かず、私のいる場所を越えて過ぎて行った。

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# by meo-flowerless | 2014-01-01 00:01 | 日記

大晦日

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みなさま良いお年を!
# by meo-flowerless | 2013-12-31 18:02 | 日記

日記

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短編小説連載『香星群アルデヒド』開始は年明け、一月十日からを目指している。
自分は小説家じゃなくて絵描なので、どうしても絵のイメージが下地になる文章だけど、小説書いていくことに対しては、とても楽しさを感じる。

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# by meo-flowerless | 2013-12-28 21:00 | 日記

仮眠景18・竹割山水

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メスシリンダーぐらい背の高いタンブラーグラスに、炭酸で割った鶯色の飲物が注がれている。
透明な泡、緑に深まる水、岩のように液体をせき止めているライムまで、液体を眺めていると、日本の渓谷景をくまなく見つめる眼の旅のようだ。
竹割山水です、と言いながら寺院の女性が、狭い竹林の卓上にそれを差し出している。


……


金色の海を見ながら、赤と黒の美しいオス鳥が横顔のまま、
「波打ち際が綺麗なんだ。わかるかい?」
と言って、クッと正面を向く。
頭はカンムリヅルなのだが身体はどう見ても鹿なので不格好であり、オスの語る愛に集中出来ない。

……

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# by meo-flowerless | 2013-12-26 05:54 |

日記

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東京キネマ倶楽部でのEGO-WRAPPIN'のライブ「MIDNIGHT DEJAVU」を堪能した。
たまに聴きはしてたけど、初めて立ち会ったナマの体験の方が、圧倒的に良かった。凄い完成度。
脳を割る管楽器の破裂。確実な切れ味と伸びのある声。全曲これでもかと仕掛けられる極上の切なさ。


そう!せつない!これでもかと!


会場は、赤いデラックスな内装のかつてのキャバレー空間だった。
半円形の桟敷席から、バルコニーつきのステージを見下ろす。
小柄だが爆弾みたいにパワー秘めた天使の格好の中納良恵が眩しかった。会場の若い人たちのきらきらと憧れる熱っぽい目を、二階の暗がりから見ていた。

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# by meo-flowerless | 2013-12-24 10:15 | 日記

仮眠景17・アンナマリア・ブラッドリー

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アンナマリア・ブラッドリーという名の洋風こけしが、高々と胸を張って、バイオリンを弾いている。


......


ローザンヌ・バレエコンクールをテレビで見ている。
相変わらず辛辣な女解説者が、一人一人の出場者の衣装について細かくこき下ろす。
が、自分には、一つ一つが、全部違う色の鳥のような、精巧な細工に見える。
それらが一センチ大に小さくなり、すべて違う色の指輪になって、十本の両手の指に踊っている。


......



赤い海を見ながら、
「今度もまた、更に簡単に糸をぶった切られた。伝わりっこない」
と思っている自分に、死んでしまったはずの人が苛々しながら、
「全力で呼べよ!!」と怒鳴る。

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# by meo-flowerless | 2013-12-23 11:45 |

仮眠景16・アネモネトーン

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冬日の当たる赤いカーペットの部屋で、女の子が絵を描いている。
水性マジックの先からクキクキと音をさせている。
様々な赤、紫、ピンク系統だけの、サイケデリックな色調を駆使している。
よく見ると膝元にある水性マジックセットの商品ラベルに「アネモネトーン」と書いてある。
なるほど、アネモネの花色だから赤や紫ばかりなのだ。と納得する。



むかし父が、
「同じ色合いばかりで絵を描くのは狂った人のすることだからやめなさい」
と言った台詞はまだ心に残っているが、結局そういう意識を越えて絵描きになった自分がいる。
自分なのか自分の娘なのか定かではないこの幼児には、赤ばかりで描くのをやめろとは言わない。
傍では紅色のポータブルプレイヤーの上で、赤い透明のソノシートレコードが子供音楽を奏でている。



.....

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# by meo-flowerless | 2013-12-22 10:35 |

仮眠景15・蓮の毒

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台所にはいつものように銀色の夜明けの光が差し込んでいる。
様子が何かいつもと違う。
竦む足で恐る恐る近づくと、冷蔵庫の横に、美しい顔の若い女二人が寄り添うように腰掛けたままぐったりしている。
最近ずっと見かけなかったけれど、こんなところに居たのか。
生きているのか死んでいるのかはわからなかった。
脈を取って確かめようとしたが、彼女達のまわりに散乱しているものを見て、瞬間的に彼女達の身体に触れるのを躊躇した。


「毒薬を作っていたな」
例の疑惑事件に関して話題になっている、あの毒薬に違いない。
乳鉢の中、そして彼女達の指先には白い粉が付着している。
私の部屋から持ち出した雑誌の一頁一頁に、それを慎重に溶いて塗り付ける作業をしていたようだ。


きわめて美しい娘達で、能力も優れていた。
が、何に対しても刺のように反発することを、自負しすぎているようなところがあった。
私のことも大嫌いなようで、全く気を許さず、こちらが挨拶しても目をそらした。まさか殺意を持っているとまでは思わなかった。
冷ややかに二人を放置して、見下ろした。
この部屋の至る所に毒が付着しているに違いないと気づき、執拗に石鹸で手を洗った。

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# by meo-flowerless | 2013-12-18 02:02 |

仮眠景14・竜宮使

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大学の校舎の長い長い廊下の、光がいつもより奥深い。美しい。
何かの影が繊細なまだら模様を作っていて、それが光の階調を複雑にさせている。
廊下の奥には真昼の水が反射している。
水は無いけれど自分は廊下の上部をゆっくりと自由に泳いでいる。
私自身もかなり長大だ。
白い巨大ウナギかリュウグウノツカイのような身体をしている。

……


青い人魚の下半身がポールに掲げられ、旗にされて、曇天を背にはためいている。
残念ながら熱帯魚系ではなく鯖系だったのでこうなったのだと理解する。
場所は再び、国連前のような気がする。

......

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# by meo-flowerless | 2013-12-17 15:03 |

日記

心の逃げ場も身体の逃げ場も、いくらもあるけれど、意識の逃げ場がいま全く無い。
誰からも遠いところで、たった一人で自分に刑罰を科したい。
誰も知らないとこで自分を半殺しにしてから、誰にも知られないように自分をそっと助けたい。

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# by meo-flowerless | 2013-12-15 02:26 | 日記

仮眠景13・玉虫会館

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宵の河川敷に座っている。左手の鉄橋を光る電車が渡ってゆく。
多摩川河口付近なのにも関わらず、川沿いには川床の料理屋が建ち並ぶ。
暗がりの中よく目を凝らすと、料理屋のよしずや襖は、全く薄汚いブルーシートやベニヤ板だ。
それが奇妙に涼しげで心地よくもある。
遠いのに料理屋の人々の声は、河原の石の一つ一つに反響し、近くで啼く河鹿の声みたいに耳元に聴こえてくる。
内容は聴こえないがその音とも声とも付かないものを、むしょうに愛おしく感じる。



自分の目の中でゆらゆら揺れる赤いものがある。目を凝らすと次第に遠距離で結像する。
『玉虫会館』と書いてある遠くのネオンだ。
あの文字のとこだけそのまま指輪にして、指にはめたら綺麗だろう、と思う。


....

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# by meo-flowerless | 2013-12-13 05:14 |

香星群アルデヒド

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ウェブでの短編小説連載『香星群アルデヒド』は、一月明けて開始します。
隔週連載になると思います。URLは追って告知します。
毎回、モノクロームの『香星群』の挿画とともにお送りするものです。
『香星群』はここ一年断続的に、雑誌「新潮」の中表紙絵に寄せている絵と同じ仕様のシリーズです。


最近ここに書き溜めている夢日記の「仮眠景」とはもちろん、趣が違うものになります。
夢日記はいい加減に妄想の断片を力技で繋ぎ合わせて作りますが、短編小説は最初に大方の設定と筋があらかじめ決められてから、詰めていきます。
小説は堅くなってしまって難しいですが。


穴のような窓の向こうは、団地の室内ではなく、今度は宇宙です。
宇宙に放り出され、絶対に縮まることのない他者同士の「不可侵の距離」を思い知る。そんなところが主題です。
# by meo-flowerless | 2013-12-09 15:00 | 告知

仮眠景12・受胎告知

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写生遠足なのに、課題『受胎告知』と知らされる。
青空を見ても、枯木の梢を見ても、聖母などいるはずもない。
ひよどりみたいな、むくどりみたいなのが、ただビイと鳴いている。

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# by meo-flowerless | 2013-12-09 00:17 |

日記

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アイデアスケッチは手帳をつぶすようにしか書けなくて、凄く雑です。
発想がいつも秒殺でやってくるからだ。



そのかわり取材やモチーフは丁寧にやって、写真は撮る。
ぱっとしたくだらない思いつきに、物凄く丁寧に事実性をくわえていったり、執念深く肉付けをしていくのが楽しい。

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# by meo-flowerless | 2013-12-05 10:54 | 日記

仮眠景11・ゴッホ家の継娘

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希望としては、源氏物語の「明石の上」になって明石入道の家にホームステイしたかったのだが。
予定は変わって、ゴッホ家にステイすることになっている。
「大丈夫か....あそこん家は寒そうだけど...」




ヴィンセント氏は後世に伝わるイメージ通り、人間的に不器用そうな無口な男ではある。
が、一番驚いたのは、彼に妻がいたことだ。
彼自身、画家と言うよりは極貧の農夫であり、妻も灰色の農婦である。



「今日からは君を娘と思うよ」
と、瞬きもせずにヴィンセントは言った。
「しかし今日は村の祭りなんだ。初日から悪いが、家の番をしておいてくれ」

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# by meo-flowerless | 2013-12-03 06:10 |

仮眠景10・ 宝石 (短編集)

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生ぬるい風が吹き荒れる曇天だ。
スイスのベルンに似ている。
高いところに黒緑の森があり、遥か低いところに湖のような川がある。
黒い森に抱かれるように、カラフルな6階建ての住宅が数軒、まとまっている。
色鮮やかな屋根と壁を持ち、ルビー色やネープルスイエロー、インディゴなどの、欧州的な色が美しい。
なんと言っても住宅の形が普通と違い、宝石のように多面体にカットしてあるのだ。
オヴァルカット、マルキーズカット、ブリアントカット。
宝石が不安げに肩を寄せ合っているような姿が、静かに湖面に映っていた。


・・・


藤色のような水色のような物凄く大粒の宝石が、「校庭なぎさ」におちている。
アクアマリンだ!と興奮して、しゃがんで見つめる。
自分の好きな色は赤などではなく、本当はこういう薄い水色だったかもしれない、と魅了されている。
ざっと足下を洗いゆく波は、海の波ではなく、校舎の掃除の排水だと思うと、少し腹が立つ。

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# by meo-flowerless | 2013-12-01 20:33 |

日記

締め切り迫り忙しすぎなので、ここの記事が殆ど『仮眠景』になってる。
でも夢ブログになってしまったわけではないので。
小説の連載はまだ、これから、別サイトで出来たらと望んでいます(遅れてすみません)

『四畳半みくじ』制作と、白黒の絵画&文章シリーズ『香星群』に追われています。
春にはお披露目出来るのが理想です。
# by meo-flowerless | 2013-11-29 11:27 | 日記