画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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愛着臭

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小さい頃よく、密かに嗅いでいた匂い。

「ソノシート」(赤色)の匂い。舐めたこともある。ペコンペコンとたわませながら嗅ぐとまたひと味違う。 
ミシン脇のちょっとあいている穴(そこから中の機械とパイロットランプが見える)から微かに漏れる熱っぽい匂い。ミシンの中に住みたいという感情は今でもある。
トイレットペーパーロールの断面を爪でガジガジして、匂いを嗅ぐ。今でもやる。中毒性あり。
賞品用リボン(水色)の匂い。鼻をくっつけギザギザの触感とともに楽しむ染料系の香り。夏場所を見ていて、水色のまわしをしている力士を見つけ、そのまわしの匂いも嗅ぎたかった。
箪笥の奥にしまい込んである風呂敷の匂い。結目の跡がついたところが一番「渇いた染料臭」あり。
# by meo-flowerless | 2005-09-24 21:43 | 匂いと味

色の洪水

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画材屋は、「森」である。
幼い頃、童話によくあったシーン。行ってはいけない森に迷い込んだ子供が、その道々の美しいきのこや花を摘むのについ我を忘れ・・・そういう、妖しい禁断の森。
学校帰りにほとんど画材屋で時間を費やすようになったのは、高校生の時だ。画材といっても、キャンバスだの紙だのの売場には行かない。ひたすら、虹みたいに色彩の並ぶ「絵具類の棚」の前にいるのである。お金がないので買わない。しかし頭の中で考えているのは、「もし一万円持っていたらこの色とこの色を買う」という希望リストである。えんえんと買いもしないのに考えている。

実際に絵を描く時の喜びとか、絵を描いて人に評価される喜びには、実は私はあまり無頓着である。淡々と毎日描く。
何が喜びかというと、
「画材」である。

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# by meo-flowerless | 2005-09-24 01:33 | 絵と言葉

病変花色

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これは木の汁をすうアブラムシ
 これは葉の色が悪くなるハダニ
 黒い星のクロホシビョウ
 白いカビのウドンコビョウ
 カッパンビョウは葉を枯らすのです
 カダン花壇カダン お花を大切に

花壇用駆虫殺菌剤「カダン」のテレビ宣伝。
もう忘れて歌えなくなってしまったが、最近、全歌詞を発見した。

 

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# by meo-flowerless | 2005-09-22 01:23 | 絵と言葉

「零式」/坂本弘道

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他人の夢に間違って入り込んでしまった。それは、いけないことのような気がする。でもこの音楽はそれを私にさせてしまったかもしれない。

柱時計の音で始まる一曲目。思い詰めたように静かにはじかれるチェロ。
誰か他人の寝息を聴いてるような錯覚に陥る。
例えば倦怠い夏の午後。暗い部屋の中で誰かが昼寝している。その寝顔を何となくぼんやり眺めているうちに、突然、エアポケットからその人の睡眠意識の中にしゅっと吸い込まれてしまう。

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# by meo-flowerless | 2005-09-20 00:40 |

lodig


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「迷子の呼び出しを致します

午後三時、少し日の陰ってきた、この鄙びた海浜行楽地に、遠い微かな女の声が響き渡る。

…様 弟さんが お待ちです


確かに今呼ばれたのは私の名だった。空耳のようにも思えた。先程からこの鬱蒼とした陸繋島の地形の、どの道を歩いていても聞こえてくるのどかな音楽。それと重なるように曖昧な反響音を伴いながら、その放送は一瞬聞こえたのだ。」


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# by meo-flowerless | 2005-09-18 22:19 |

船頭小唄

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俺は河原の 枯れ芒(すすき)
同じお前も かれ芒
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れ芒

死ぬも生きるも ねえお前
水の流れに 何変わろ
俺もお前も 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ

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# by meo-flowerless | 2005-09-17 00:14 |

反抗芸術匂い紙

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反抗期は長かった。中学だけではとても終わらなかった。
もともと反抗的な性格なのだ。
高校三年.美大受験を控え、私はいつも何かしら怒りながら、家でも高校でも予備校(美大受験用)でも、苛々の塊のような絵を描きとばしていた。

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# by meo-flowerless | 2005-09-15 23:58 | 絵と言葉

川は流れる

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私の実家の裏には川が流れている。
多摩川の支流のその又支流、それほど大きくはない、夏には草の生い茂るごく平凡な川。
この流れを春夏秋冬見て育った。
七歳までの団地生活のことは随分作品にも出てくるし、様々なところに書いた。
引越をした七歳以降の私には、川が全てだった。そのことは、あまりまだ人に話した機会がない。

台風が来ると、普段休みの日のは大抵居眠りしている父が服を着替えて、風の中外へ出てゆく。
川の水嵩が増えているのをただ見に行くのである。
私は十五歳前後、反抗期のせいでそれなりに荒んだ心でいた。父とも険悪な日々を暮らしていたが、台風が来ると私は、この突然起き出して川を見に行く父についていった。ほんの100メートルほどの距離を、子供の時のように急ぎ足でついていった。
そして別になんということもなく、水嵩が増え透明な新しい獣のようになっている、川の段差の怒濤を見つめた。そして五分くらい黙って見ると、満足して二人で帰った。
その光景の中で思い出すのは、自分たちと同じように、黙って川の段差の渦を見つめている幾人かの見物者の背中だ。大体が父と同年代くらいの男で、一人で背中を向け、土手のぎりぎりのところに立って黙っていた。
皆どんな思いがあるのかな、と思った。しかし別に言われなくともわかるような気がした。

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# by meo-flowerless | 2005-09-14 04:03 |

秋草系

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私の秋草系衣装。季節に合わせ。いずれも花柄部分は絽、無地部分は縮緬。
この服を創る母は、服飾業などのプロではない。塾の英語教師です。沢山の問い合わせを受けるが、今のところ外への販売は無し。が、いずれ私は母と組んで何かやりたいと密かに画策しています。
# by meo-flowerless | 2005-09-12 21:40 |

武者小路実篤八十九歳の幸福論

いつかの冬、ノイズ系ライブの会場で、とある編集者氏を紹介された。
轟音の中なのでまずは、初めましてーッッと絶叫でお辞儀。 続いてその人が言うには
「この間の雑誌の記事見ましたーっ」(BT2003年三月号)
「有り難うございまーすっ」
そして、耳元でこう絶叫された。
「あなたは、幸せにはならないと思うけどーっ、なんか、『業』みたいなものを感じましたーッッ!!」

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# by meo-flowerless | 2005-09-11 22:51 | 絵と言葉

那須温泉常夜灯

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埃のバラック、砂塵の楼閣。硫黄の谷間の温泉地。
折り重なるようなスイッチバック式急坂を上がっていくと、遙か下界に見えるは毒気の川、ぺしゃんこに廃れきった湯の宿廃墟群。観光客はおろか町の人間も見かけない。
古びた橋から川原に切り立つ石壁の方を見上げると、干からびてダラリと垂れ下がった内臓のような廃墟が、こびりつくようにして在った。

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# by meo-flowerless | 2005-09-10 18:52 |

夜の幽かな崩壊音


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*NICO/THE END 
  ---3.[You Forget to Answer]
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# by meo-flowerless | 2005-09-09 19:36 |

琵琶湖温泉ホテル紅葉

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胸の奥の懐かしい何かを無性に掻きたてる、ある種の音がある。
記憶の底に手を伸ばすと聞こえてくる、あの音。
「原風景」に対する、「原音響」とでもいうような。

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# by meo-flowerless | 2005-09-08 20:30 |

不定期連載諸題名

他の人々のように毎日の出来事を記したいところだが、絵の制作期間は「一日中こたつ(作業台)の前に座り右手以外は微動だに動かさない」という生活を送っているため、私にはあまり「日々の雑事」というものがない。何日も人とほとんど口もきかず、気づくと、何か脳がおかしいぞ…ということになっていたりもするが、そんな発狂寸前の毎日を救うのが、大好きな本や音楽や、次なる旅行のはてなき計画。

そこでいくつかの不定期連載を項目別に発信することに決定。

剥落園名所案内
過去から現在に至るまで、様々な土地の旅の手記。剥落園とは、「白く輝く白亜の塗装もいつしか剥落してしまった、廃れゆく楽園」という意を込めて。

裏宇宙微音採集箱
私を意識の裏側の宇宙へ誘う微妙霊妙な「音」の数々。絵のもとになった音楽とその当時の記憶も。美術体験よりも、音や匂いによる体験の方が、私の身体的真実に肉迫すること遙かに多し。

四畳半燈芯文庫
愛書の紹介。四畳半、ローカル電車のボックスシート、バスが一時間に一本しか来ない土地の「バス停のベンチ」などで読むのを薦める。内容を読んで理解する直線的読書家より、好きな文字を探し何度もそこばかり眺めて堪能するような読書家のために。

匂狂日記
人生の日影道にそこはかとなく漂う季節香、普通の人にはどうでもいいような生活の微臭。調香師としての夢を断念した今(?)、三百を越える香水蒐集や日々の薫薫(くんくん)活動で鼻を慰める。

我儘衣装箪笥
私の服は全て母の手製。骨董市や古着屋で着物を物色し再デザインという、母娘共同作業の果てに生み出される極彩色の「戦闘服」のコレクション。

昭和紅蓮歌謡道
歌謡道すなわちそれは極道の道。マイクを握る私の行手を遮るものは誰一人無し。
# by meo-flowerless | 2005-09-06 02:07 | 日記