画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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日記

締め切り迫り忙しすぎなので、ここの記事が殆ど『仮眠景』になってる。
でも夢ブログになってしまったわけではないので。
小説の連載はまだ、これから、別サイトで出来たらと望んでいます(遅れてすみません)

『四畳半みくじ』制作と、白黒の絵画&文章シリーズ『香星群』に追われています。
春にはお披露目出来るのが理想です。
by meo-flowerless | 2013-11-29 11:27 | 日記

仮眠景9・ピッチャー

出身高校の教室の四時間目、教鞭をふるっている。でも生徒はほぼ芸大生だ。
教えている科目も、美術ではなく「ユルい家庭科のような科目」だ。
合宿のときの大鍋料理の振る舞い方、などについてディスカッションになっている。
先生のくせに料理がそれほど上手ではないので、学生の発言するに任せる。


「星空の下の場合は、どんな味付けのスープがいいのかなあ」
「わかりません。私に聞かないでください」
「えーなにそれ」
「さっとにかく遠慮しても誰も得しないんだから。グランドに出よう」
といつも自分が言いそうな台詞で無理矢理授業を終わらせた。


外に出る。「ソフトボールしようぜ」となる。

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by meo-flowerless | 2013-11-29 11:06 |

仮眠景8・白茶(短編集)

冷めた白茶のティーカップの残り湯に、足のすらっと長い蝋製のキティちゃんが、ゆっくり浸かっている。
            
・・・

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by meo-flowerless | 2013-11-26 21:52 |

仮眠景8・紺青



やけに新鮮な茶色が掘り返されたばっかりみたいな、図式的な土手を歩いている。
さっきからずっともう歩いている。散歩ではない。とても急ぎ足なのだ。
足もいつもよりいっぱい本数があるかもしれない。確認する暇はない。

 

どこか一点地平線の彼方に、「何か」が現れるのを知っている気がする。
空ははっきりした紺青だ。
水際立った綺麗な目つきの、白目と黒目の境に、たまにこんな色を見る。
自分のなかには到底あり得ない、捉えどころない静寂。



白い二本の線が角のように地平から生えだして、機械で描いた飛行機雲のように、青のまっすぐ上に向かって延び始めた。
「ああ、始まった。あたしはあれを待っていた。あれを目撃しようという思いで、急いで歩いてたんだ」
二本の白線は遠巻きの竜巻のような距離に最初はあったのに、自分の足が思ったよりも速くぐんぐん近づいていく。
「まだ斜めだな。まだ斜めに見える。あと何回どう曲がったら、どの角度から見たら、あいつの正面に行けるんだろう」
などと考えて、いつもより細かい足数でムカデみたいに急ぐ。

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by meo-flowerless | 2013-11-20 02:29 |

仮眠景7・スカイ・エレベーター

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商店街は、年末商戦がもう始まっているのだ。町中が軽薄な音響の渦の中にある。
木枯らしは木の葉ではなく、プロムナードの造花を先に散らせてしまったみたいだ。
せわしない主婦たちの足が、路上に落ちたそれを踏みしだいていく。
いつものように、水の底にいるような気持ちで街を彷徨う。
そしてまたいつものように、とにかく夕闇迫る駅前に向かっている。



地下通路口のあたりである男が通行人に何か話しかけては、ことごとく無視されているのが目に入ってくる。何か頓珍漢なことを呟いているんだろう。
小さい造花のようなものを持って、人の顔先にそれを近づけては、指先でまわし続けている。
その男の帽子の形に見覚えがあることに気づいた。
遠い昔に一番大事な存在だった、ある男だった。

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by meo-flowerless | 2013-11-16 23:15 |

仮眠景6・海上寝台特急

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八王子駅のはずだが、こんなに広大な駅だったろうか。
何百台もの赤白特急が、鉄錆色の何百本もの線路に停泊している。
いわゆるウルトラマンカラーの色彩がひしめき合っているのだ。
白い不穏な曇天がどこまでもそれを覆う。
鉄道駅というよりは、港みたいだ。
それに、景気のいい花火の空砲が空に響き渡っている。今日はカーニバルでもやっているのか。



夜行寝台の券は取ってあるのだけれど、フェリーの二等船室と同じように、場所は早い者勝ちなのだという。
どれが自分の乗る夜行列車なのか、わからない。
広大な鉄路の上を彷徨って、目当てのホームを探す。
焦っていたのかとりあえず、そばに停まっていた縮尺の小さい汽車のデッキに思わず飛び乗ってしまった。

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by meo-flowerless | 2013-11-04 07:15 |

花絵制作

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花びらで巨大な絵を制作する「インフィオラータ」に参加してきた!
インはわからないけど、フィオラータはフィオーレ(花)から来ているのだろう。
花絵の本家本元は、イタリア。


場所は、晴海トリトンスクエアで行われた。
運河に面した壮麗なタワーマンションとショッピングモールの狭間の通路に、住民と、芸大生たちが花びらを敷き詰めたのだ。
雨の中、びしょ濡れになりながら地べたに這いつくばって、花びらと砂をビタビタやってきた。


この原画は私の。
数名の芸大生とOBOGが、「愛の都市」というテーマで原画を描いた。
毎年このマンションで行われるフラワーフェスティバルに合わせての、もう十数年続くイベントだそうで、今年初めて芸大油画科が原画に携わることになったのだった。

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by meo-flowerless | 2013-11-03 04:32 | 絵と言葉

ヒッチハイカー

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明日やあさってのことが目に浮かぶ 
平原や砂漠を走り抜ける自分が
悪夢のように一人きりで
そして彼を見るの 
迂回路で 踏切で 信号で停まるのを待ってる


あの世とこの世の狭間には、「その世」があるのではないかと漠然と感じている。
身の上に不思議体験が起こったことは今までないが、生と死の他にもっと別の時空があるのじゃないか、という感覚はまえから自然に持っていた。
超常現象や心霊現象と言って騒ぐのは嫌いだが、確実にこれだけはどこかにある気がする。
第三の道への分岐点、奇妙な時空への迂回路。


いまはまっているのは、隔週でアシェットから刊行されている『ミステリー・ゾーン』DVDコレクションだ。
明け方にその中に収録されている「ヒッチハイカー」という話を観て、何か自分の中に漠然とあった感覚にチューニングがぴったり合ってしまって、眠れなくなった。

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by meo-flowerless | 2013-11-01 18:02 | 映画