画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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遊びの百科全書5 『暗号通信』  ~ 巌谷國士編 

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いまでも子供の世界には、なぞなぞ遊びが生き残ってるだろうか。
私はなぞなぞに答えるのが苦手な子だった。
「逆立ちすると軽くなる海の動物なーんだ」
「....フグ」
「ブー、イルカでーす」
「………」   


人に問題を出したりすること、数年前流行った「謎掛け」を考えたりすること、も不得意だ。
謎掛けを競い合って自分のデキナさに悔し泣きし、呆れられたこともある。
言葉の作品をつくったり文章を書くことから、私がそういう頓知や言葉遊び全般を好むと思われたりするが、極端に苦手な分野がある。


大喜利で、巧い!とかけ声かかりそうな分野はだめだ。多分これは克服不可能だろう。
頓知や謎掛けは、言葉のトリックを知的に種明かしできなければいけない世界だ。
自分は暗喩的な人間だと思う。唐突な言い切りのイメージで物事を感覚している。
「人生は緑藻だ、恋はウニだ」なのだ。
何の言葉遊びがなくとも、ひとにはわけがわからなくとも、そう思ってしまったので、そこに説明理由はない。

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by meo-flowerless | 2013-08-29 13:19 |

雨の夜あなたは帰る

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放心したい。真黒の下に底光りがあるような沈黙なら、なおいい。
気持ちの底を、何も判断下すことなく見ているだけでいい。
もはや感情ですらない。けれど感覚は覚醒している。
じっとしていると底のほうには、見慣れない肌理細かい世界があるのが見える。


雨の夜にあなたは帰る まるでなんでもないように


その可能性は死ぬより遠い断絶だと、薄々わかるから薄く笑ってみるのだ。
この曲は底光りする。ちあきなおみが歌うときに。
彼女は狂気のふちまで淡々と歩を進めて、なにも躊躇しない。

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by meo-flowerless | 2013-08-27 01:34 |

藤圭子死す

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藤圭子死す。
旅帰りの新幹線の電光掲示ニュースで、一気に東京の影に引き戻される。


昭和歌謡を聴くようになった自分が、最後に手を出したのが藤圭子の歌だった。
ほとんど日常聴くことはないけれど、彼女の歌はいくつかそらで歌える。
自分にとっての新宿の死を知らされた気がする。
そういえばこの前最後に会った新宿はさえない顔をしていた、と勝手に思う。

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by meo-flowerless | 2013-08-23 00:20 |

島日記16

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湿っぽく別れを惜しむような感傷には浸らせない男気のようなものを、なぜか小豆島の海が発散してるから、浸らないことにする。
それでもこの今日は二度ないことも知ってるので、やはり何かを見ておきたいとも思う。
で、夕暮れ立ち寄ったのが白浜の海岸だ。


三都半島の突端、原生林を抜けて辿り着く最後の浜。
大きなフェリーやあらゆる船が眼前で航行する近さに驚いたことを、思い出す。
砂上に流され果てた漂着物たちがみな、静かな白骨のような終末感をたたえていたことも。


五月の陽射しの下で、私は黙々とこの浜で漂着物を採取した。
はじめは真徳の作品の素材集めを手伝うつもりで遊んでいたが、次第に漂着物拾いは麻薬のような快感を私にもたらした。
ものごころもまだないような、小学低学年の無我夢中のなかに精神が帰っていた。

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by meo-flowerless | 2013-08-22 01:36 |

島日記15

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銚子渓のジョンに会いにいく。
ジョンは山のドライブイン「銚子茶屋」に繋がれている犬だ。
愛くるしく見えて実に複雑な素っ気なさで対応する。おそらく老犬なんだろう。
毛玉がごちゃごちゃになった中に、白い下歯が二本だけ目立つのが赤塚不二夫的だ。

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by meo-flowerless | 2013-08-21 01:38 |

島日記14

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この海で泳げるのももう今日くらいか、と。荷物が減り暗くなった部屋で思い立つ。
陽に乾いた緑の森を車がくぐる。
毎日めまぐるしいカーブの揺れにも酔わず、海上を飛んで行くような車との一体感に馴染んだ。
小蒲野の浜に降りていく。
黒ずんだ電柱一本。萎れた夏草。深紅の鶏頭。墓前の造花の薄緑。

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by meo-flowerless | 2013-08-20 09:47 |

島日記13

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「あれがあの人の魂だ」と一目で見分けるために、ひとつひとつ色を違えているのだろうか。
と思うほど、夜の海を漂う精霊舟は、虹みたいに思い思いの光を放つ。
赤い和紙の灯籠の舟、桃色の提灯の舟、青くて既に幽霊みたいな舟、早くも引火して燃え始める舟、海水にあえなく萎れる弱い舟。
生前その人たち一人一人にまったくちがう性格、違う営みがあったように。
家族は思い思いの光をのせて十五日の今夜あの世に魂を送り出す。

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by meo-flowerless | 2013-08-16 00:13 |

島日記12

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盆ですね。
早朝から丁寧に飾られた供花の百合が、すぐに焼け焦げたように茶色になっている。
とうの昔にご先祖たちとはぐれてしまったようなおぼつかぬ我が身でも。
他人の海の他人の祖霊を、静かに想う心持になる。

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by meo-flowerless | 2013-08-14 16:40 |

島日記11

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高速艇は海のタクシーだ。ミシンみたいに一直線に青い海面を縫っていく。
小豆島沖、僅か30分弱。今日は犬島に向かう。犬島もこの夏会期から、瀬戸内国際芸術祭の舞台だ。
巨大な銅の製錬所跡にそそられる。煉瓦造りの巨大な廃墟を、今は美術館にしている。
大企業が総力を入れている島はやはり、集めるアーティスト、施設、観光客の質と量、どれをとってもレベルが違うらしい。それは犬島の港に着いてもすぐわかる。

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by meo-flowerless | 2013-08-13 00:53 |

島日記10

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殺人的な暑さが日々心身を削ってゆくが、人は親切だし食材をどんどんくれるし、一日のうち何回も瀕死になったり再生したり忙しい。
少し病んで寝た日があったが、もう次の日にはあまり知らない島民の方まで、「もう起きれたん?しっかり養生せんと」と声をかけてくる。
すいかもメロンも桃も腹壊すまで食べた。暑気払いに、あとしてないことは何か。
 

泳いでいない。
目の前に、そこら中に、広がるこの美しい海に、未だ入っていないのである。
「盆の間は海に入っちゃいかんよ。連れていかれるんだぜ」
と夫が忠告するので、盆に入る前の今日にもう泳いでしまおうということになる。
遠いショッピングセンターまで行き、水着やシュノーケルを買い込む。
全く泳ぎが巧い訳ではない。ただもう、水に浮かびたい。

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by meo-flowerless | 2013-08-10 17:28 |