画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


by meo-flowerless

プロフィールを見る
画像一覧

外部リンク

カテゴリ

全体
絵と言葉



匂いと味



映画
日記
告知
未分類

最新の記事

2017年10月の日記
at 2017-10-02 00:56
2017年9月の日記
at 2017-09-06 19:05
珠洲日記1 2017.8.2..
at 2017-09-05 12:52
白玉のブルース
at 2017-08-13 15:27
2017年8月の日記
at 2017-08-08 18:20
佐賀日記〜波戸岬講座
at 2017-08-07 23:22
冥婚
at 2017-07-06 02:01
2017年7月の日記
at 2017-07-03 21:51
2017年6月の日記
at 2017-06-07 02:11
2017年6月の夢
at 2017-06-06 04:41

ブログパーツ

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
more...

画像一覧

カテゴリ:本( 15 )

アクの強い辞書たち

e0066861_19562387.jpg

ずらりとならんだ辞典、辞書の数々。いま大学の課題で教材として使用しているものの一部だ。
通常の国語辞典や漢和辞典のほかに、日本語の辞書にも様々な種類がある。文章を書くのに持っていて便利なのは「類語辞典」「表現辞典」などと呼ばれるものだろうか。
しかしここに集まって来たのはさらに使用目的の特化された辞書たちだ。ある人には抱腹絶倒(?)の面白さ、ある人には全く役に立たない紙製のマクラ程度のもの。



もともとなんとなくいつまでも辞書を読むのが好き。更に英語辞書なんかに小さく書いてある図なども好きで、学生時代も授業中はほとんど、そういう絵に色を塗ったり拡大化してノートに書いたりして遊んでいた。
大人になった今日この日.....それを編纂した人の労力や想いなども含め、辞書というものがどれだけ想像生活を豊かにさせてくれるか、をあらためて実感する機会になった。
ネタ本みたいな辞典ではなく、割と真面目な辞書のなかでとくに面白いと思ったものを、いくつか記しておこうと思う。


--------------------------------------------------------------------------------------------------

e0066861_19592727.jpg
1.【片仮名語和改辞典】

和製ヨコモジ英語やカタカナ語の単なる意味引き辞書はたくさん売っているが、これはカタカナ語から、漢字を使った和語、への翻訳である。
正確にもともとある言葉を引くというより、新しい造語の提案という感じもする。
著者センスがいいのか、「和改語」というアイデアがが面白いのか、この辞書はかなり面白い。


第二次世界大戦中は「鬼畜米英の言語を使わぬ」ように、全てのものの呼び名が漢字で書き改められたという。ここに載っているものの多くは、そういうことを現代の言葉にまで当てはめた、と思えばいい。
けど、だれがどこでそんな和改の仕事をしてるの?著者が勝手に?
ここまで無用でありながら、成る程ねえ、と考えさせられてしまう日本語もなかなかない。


サロン→【談話室】、バーチャルリアリティ→【仮想現実】なんて当たり前の和解には興味が無い。ネオンサイン→【走華灯 そうかとう】などは作品タイトルなんかにも使えそうな。セルフケア→【自己世話 じこぜわ】などは直訳過ぎるのがかえって笑える。
しかしもっと傑作「和改」語はたくさんある。


サスペンス→【手汗物 てあせもの】、ノーブラ→【素胸 すむね】、サファリ→【腕獅子毛 うでししげ】、カルパッチョ→【絵画盛り】、フォースアウト【強制お陀仏 きょうせいおだぶつ】。うでししげとはなんだ?
ジャンキー→【薬兵衛 やくべえ】、サディズム→【惨太郎沙汰 ざんたろうざた】、バリケード→【邪魔樽 じゃまだる】、パンクロック→【反俗陽転 はんぞくようてん】、ダッチワイフ→【情人形 じょうにんぎょう】あたりになってくると、考えた人のヤケクソ感や悪ノリまで感じてられてくる。







e0066861_19591055.jpg
2.【当て字・当て読み 漢字表現辞典】

とってつけたようなルビを振る。本気と書いてマジと読み、都会と書いてマチと読むような、様々な言葉に当て読み、宛て字をした用例をたくさん集めてきたもの。
ただの外来語宛字辞書とは違います。個人の陶酔のハズカシさが所々に匂う良書。
耽美小説から演歌、Jポップからヤンキー語、キラキラネームまで、取材した分野は広い。広い分、ランダムすぎて辞書として使えるかどうかは微妙だが、読むだけで面白い。


【発作的殺戮集団(なちずむ)】、【情熱男・灼熱女(なつおとこ・なつおんな)】、【破滅的な(とんでもねー な)】、【戦闘服(どれす)】、【異空間(どこか)】、【土雷根子(どらねこ)】、【敵影いまだ見えず(のーぷろぶれむ)】。
....この類いの言葉、このブログの書式では無理なのだが、小さいルビを横に振ったほうが恥ずかしさが倍増する。









e0066861_19584133.jpg
3.【集団語辞典】

隠語や俗語の辞典の中でもこれは、サイズやデザイン、内容、どれをとってもバランスがとれている。
様々なしごとの業種や職能、仲間の中のみだけで通用する日本のスラングを集めた辞書。芸能用語、犯罪用語、エロ界用語の奥深い世界はもちろん、普通の市井の業種用語なども網羅。


【松桜梅 しょうおうばい】は工事のダイナマイトの強度を表す言葉で、梅の下は榎....とか、【俊寛 しゅんかん】は警察用語で無期懲役を意味し、語源は島流しのまま死ぬまで帰れなかった俊寛僧都の悲劇から来ている....とか。
知っていてもしょうがないが、知っていると日本の裏側まで想像力が及んでいくような気がして、味わい深い。







e0066861_19582824.jpg
4.【省略言葉事典】

言葉を端折って縮めた略語の辞典。
世の中にはどれだけの省略語が溢れているのか。言葉と言うのはリズムであり、ノリであり、キャッチフレーズ的に語感を簡単にすることでコミュニケーションをとりやすい言葉にカスタマイズしていくものなんだろう。
テレビ番組の略称から芸能人の愛称、【スタバ】などの店名や【キモかわ】【なるはや】などの日常語から多くをとっている。ただし、十年後に読んだら何か物凄くダサい『死語辞典』の仲間入りしそうな言葉が多い。要するに略語とは軽さや先取り性を気取っているのである。だから劣化も早いんだろう。
若い子たちの使っている言葉がわからないのに何となく分かった振りをしている、苦しい中年世代にとっては、実は使える辞書かもしれない。


できるかぎりこういう略語はあまり使いたくないほうだが。ただ現代の手垢に塗れた言葉の中で【ツメシボ 冷たいおしぼり】だけブッと吹いた。
「つめしぼくださーい」とか小洒落たカフェで使ってみたい。








e0066861_19581499.jpg
5.【正式名称大百科】

読んで字の如く、よく知った言葉の背後に実はちゃんとある「正式名称」をたくさん集めた辞書だ。
使っかわねー、けど、面白い。理屈っぽい堅い言葉には、青ざめたゴス感がある。
これら一つ一つを正確に知っていることよりも、これからいろいろな言葉に対し「ほんとうはコレ、長ったらしい正式名称があるんじゃないのか....?」などと邪推してみることのほうが楽しそうである。
【ああ食べ過ぎ、また太ったなぁ → 後天的加速度的食欲制御能力不全】とか。








e0066861_19580323.jpg
6.【宛字外来語辞典】

先に紹介した宛字辞典はキラキラした陶酔とあほらしさに満ちていたが、こちらはもっとフォーマルな、錚々たる言語学者がちゃんといた時代を感じさせる公式文書感のある外来宛字辞書
読んでもそんなに面白くは感じなくて、へー、くらいの感想しか出ない。しかし、作品のタイトルを付けるときなどには俄然、実用として活躍しそうだとも思う。







e0066861_19575420.jpg
7.【日本語オノマトペ辞典】

擬音語、擬態語の辞典。
「べろ」とか「ぎら」など、語源ごとに歴史などが書いてあるので勉強になる。これは、海外から来て日本語を勉強している人は面白く感じるかもしれない。逆に言えば、人間はどれだけ言い慣れた母国語で無意識にいろいろな擬音・擬態語を使いこなしているのだろうか。


先ほども、あまり日本語の出来ない台湾の学生Rくんに、皆が擬音語を教えていた。たとえば「どんどん行く」などの慣用的になったことばは、説明が難しい。ドン!と叩く音との違い。
それをはたで聴きながら、例えば身体の部位を叩く音でも、背はドン、おなかはポン、肘はトン、あたまはゴン、肩はポンだよな....とずーっと考え始め、そこまでの熟思は無用ながらも、擬音語の使い方の限りない奥の深さを感じた。






by meo-flowerless | 2017-05-22 20:00 |

遊びの百科全書5 『暗号通信』  ~ 巌谷國士編 

e0066861_1145629.jpg



いまでも子供の世界には、なぞなぞ遊びが生き残ってるだろうか。
私はなぞなぞに答えるのが苦手な子だった。
「逆立ちすると軽くなる海の動物なーんだ」
「....フグ」
「ブー、イルカでーす」
「………」   


人に問題を出したりすること、数年前流行った「謎掛け」を考えたりすること、も不得意だ。
謎掛けを競い合って自分のデキナさに悔し泣きし、呆れられたこともある。
言葉の作品をつくったり文章を書くことから、私がそういう頓知や言葉遊び全般を好むと思われたりするが、極端に苦手な分野がある。


大喜利で、巧い!とかけ声かかりそうな分野はだめだ。多分これは克服不可能だろう。
頓知や謎掛けは、言葉のトリックを知的に種明かしできなければいけない世界だ。
自分は暗喩的な人間だと思う。唐突な言い切りのイメージで物事を感覚している。
「人生は緑藻だ、恋はウニだ」なのだ。
何の言葉遊びがなくとも、ひとにはわけがわからなくとも、そう思ってしまったので、そこに説明理由はない。

More
by meo-flowerless | 2013-08-29 13:19 |

畏怖と光景

e0066861_042530.jpg


作品世界において大事にしたいのは、鬼気だ。

それは、ファッションと化した「貞子」的オカルト趣味とは、まったく違うものだ。
決まって古風な美少女で似たような衣装を着て何度も近くに化けて出てくれるらしいが、なんとサービス精神に満ちているのかと思う。
彼女達は恨みという明確な感情を、これもまた割とはっきり顔に出す。
なぜそういう紋切り型の演出を、多くの人がお約束のように怖がれるのか、理解出来ない。
様々な顔をして様々な人生を生きた人間がそれぞれの死に様を持っているのに、なぜその雑多な死の多様性は演出範囲外に置かれるのか。



都市伝説とはいつの世でも人間に必要な、一種の畏怖感覚のバロメーターだろう。
各時代に語られた伝説や民話の内容や伝播のしかたを調べれば、時代が何を畏怖していたか、がある程度解る。
紋切り型なホラーイメージの安売りは、本音の畏怖感覚を、鈍らせるだけのものにしか思えない。

More
by meo-flowerless | 2012-02-07 00:47 |

講義『日影と夜闇の漫遊記』

e0066861_3511296.jpg


そういや六月の半ば、『日影と夜闇の漫遊記』........なんてかっこいいタイトルで、勤務先の大学で二回の講義を行ったのだった。


しかしながら、タイトルにそぐうような内容には必ずしもなっていなかったと思う。
一回目は自分で撮った旅の写真や影響受けたものをだらだら喋り、
二回目はそれじゃいかんと奮起しすぎて、200枚超の写真を手持ちの書籍の資料からスキャンして、ギッチギチのスライド講義`ユートピア論`をやった。

ここを読む
by meo-flowerless | 2011-07-12 03:32 |

米ソ対抗ユートピア像

e0066861_23491444.jpg




自分が住んでいた団地と見間違えるほど似ている何か。
これはソビエト60-70年代の建築、という珍しい写真集の中の一枚。


下はそれぞれ同写真集の懐かしきソビエトと、1950-60年代のアメリカのレジャー施設や万博系のアトラクション。
すぐ下の写真なんか本当に館ヶ丘団地の一街区としか思えない。
ぞーっとするほどだ。
インターナショナルスタイルの遺伝子が「多摩」だの「クラスノヤルスク」だのの遠い遠い空を結んでた、その距離感に感慨。


e0066861_23493635.jpg


More
by meo-flowerless | 2010-11-27 02:00 |

八王子古書狩り

e0066861_1141685.jpg


今年は葉の色づき具合が綺麗だ。
夏が暑すぎて、毛虫が桜の葉を食わなかったからだ、と母は言う。
確かに。


晴れの休日だ。母と落葉散歩する。
二人とも子供に帰り、足でブルドーザーのように落葉を掻いたり、わざと蹴散らしたり、踏んで歩く。
私の実家は日本三大銀杏並木と言われる名所にあるので、写真のこの様子だ。
ただし、甲州街道沿いなので車が多いけれども。


バーミヤンで昼飯を食べながら、以前学生と話した『好きな人を紙の種類に例えたら』という話を母にする。
「解んないよ、男に例えるなんて。私もうこんな年だし(母)」
人に例えなくてもいいけど、どんな紙が好きか、という話にいつの間にか移った。



私は、むかし父の書斎に雑多に原稿用紙と一緒に押しこめられていた、黄ばんだパラフィン紙を思いだした。あれはなぜあの本棚にたくさんあったか。乾きすぎて手の中でぱりぱりと破れる破片もあった。


母はハヤカワ・ポケット・ミステリー文庫に使ってある黄色い紙だ、と言った。
「内容というよりあの本の仕立てが好きなのよ。結構黄色みがかった、ざらっとした紙で、天地と小口が鮮やかな黄色に塗ってあるんだよ」
実家に寄って見せてもらったのが、上の写真の文庫。

More
by meo-flowerless | 2010-11-24 01:44 |

神保町徘徊

e0066861_23514118.jpg


神保町での戦利品。『ミセス全集7 くらしのセンス』文化服装学院出版局 昭43
1000円だったが素晴らしい、ハードカバーの本。
『ミセス』はうちの母も昔買っていたファッション雑誌だが、その連載コラムなどのアンソロジーなのだろうか。
他にファッション、料理などの巻もあったが、これが一番欲しかった。
コラムの内容は、「私信、贈り物、紅茶のもてなし、夫の母、哀しみ、髪の表情、唇、眼鏡、微笑、うしろ姿。ポーズ、印象、人形、宝石、家庭博物館、辞書好き、絵ごころ、綴る、旋律、花作り=東洋蘭、カラジウム、活ける、旅情、小さな旅、海、町、家事とは。捨てること、機械、季節前の一日、太りすぎやせすぎ、ミセスの憂うつ、たばことお酒、眠り、行きつけの病院、捺印、プライバシー.....」
生活に関するありとあらゆる心得と切り抜けのセンスへの言及。
執筆陣は渋沢秀雄、江崎誠致、土岐雄三、佐藤愛子、三浦朱門、有馬頼義、中原祐介、深尾須磨子、尾崎秀樹、竹西寛子、白州正子、福永武彦、加藤秀俊、星野立子、なだいなだ、邸永漢....等々。
母にあげることにした。



盟友ZCと久しぶりに回遊。彼女は高校の同級生だった。
最初は銀座で待ち合わせたが、神保町を結果的にうろつくことに。

More
by meo-flowerless | 2010-11-23 01:21 |

紙上楽園への旅

e0066861_4133347.jpg

相変わらずユートピア都市論に夢中。
ユートピアとは、桃源郷ともアルカディアとも違う、徹頭徹尾、影の無い人工の理想郷なのだ。

More
by meo-flowerless | 2010-11-13 04:45 |

『コラージュ・シティ』コーリン・ロウ、フレッド・コッター

さらにひどい風邪をひいてしまった。ゴホゴホッ。人には会えない。読書。

e0066861_428539.jpg



コラージュ・シティ
COLLAGE CITY
コーリン・ロウ、フレッド・コッター 共著 1978年 鹿島出版会

熱狂的な読書家でもない私は、極めて感覚的に、気分に合う本のタイトルを本屋の棚から抜き取る。
のだが、それがたまに、華奢な本の作りとは裏腹にゴツい書物だったりする時がある。


団地の原風景と自分の世界感の謎を知りたくて、昭和日本における論に関わらずあらゆる「ユートピア」「都市」を論じる本に、手がつい出てしまう。
そんな興味の中の一冊に過ぎないと思って買ったこの本、風邪の身体で読破するにはかなり密度の濃いハードな内容だった。

More
by meo-flowerless | 2010-11-10 13:56 |

『「見た目」依存の時代ー「美」という抑圧が階層化社会に拍車をかける』  石井政之、石田かおり

e0066861_415144.jpg


風邪をひき今日は一日布団にいた。
久しぶりに『しとしと』という擬音語を思い出す雨。
静かな、誰にも邪魔されない、無駄な言葉のない、純粋に孤独な一日。
数ヶ月これだけが欲しかったな。


布団の中で様々なことを熟考することにした。
今日を限りに無意味にネット界で情報をあさったり架空の買い物を想像したり世の中の噂を気にしたりするのは、よす。
と決め、ブログも一気にやめようかと思ったが、これはこれで何らかの私の小さなアウトプットではあるので、残すことにした。

More
by meo-flowerless | 2010-10-30 04:01 |