画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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カテゴリ:旅( 92 )

ホーチミン日記8.17-2

四時ちょうどくらいにお約束のスコールが降ってきて、またお約束のように止んだ。
私達のいる二階建てのホテルは、ビジネスでグループ宿泊するときの離れのヴィラのようなもの。
一日中となりのテニスコートから誰かのプレーする声が聞こえてくる。
赤いカーペットの廊下に新しい旅行客の男性陣、あれはきっとカンボジアの美大の先生方だ。
手を振ってみたら物凄く人なつこくみんなよってきて、お互い挨拶を交わした。


私達日本のグループは、ホテルでの夕食前にちょっとでもいいから、とタクシーで、市の中心部ベンタイン市場へ。
カラフルな虫のようなバイクの光景は、二度目の目にはもう珍しいというより包装紙の模様のようなデザイン的なものに見える。



味のわからない味つき煙草かなにかのエキゾチックな紙箱と銀紙をくしゃくしゃっとしたような、アジア的アルファベットの看板群。
フランスの植民地時代の名残のアパート建築群はどんなボロ屋であっても麗しい感じ。水色にひしゃげたリンドウの花のアールデコ調鉄柵に、安いお菓子色した洗濯物が引っかかっている。
コンクリートの壁がはげて結露とともに腐れ落ちそうだ。しばらく土の眠りから覚めることのない静まりきった過去の怨念を感じる。

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by meo-flowerless | 2014-08-18 00:58 |

ホーチミン日記8.17-1

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最近偏りきっているtwitterからじゃないのは、ここがベトナム・ホーチミンだから。
wifi環境はあるしネットは繋がり放題だが、twitterだけはアクセス出来ないのは、社会主義国ゆえの制限が掛かっているとかいないとか。
でも、久しぶりに旅行の手記を書くには、ブログのほうがいい。
最近長い文章を書く暇も書く気持ちも持てなかったけれど。ぼつぼつ再開するか。
去年も今ごろ小豆島の手記でブログ再開したんだよな。


観光旅行ではなく、完全に大学の仕事である。
学長が七月に訪越した際に、ホーチミン市立美術大学での、アジア各国美大・絵画系教員サマーセミナーの参加を決めてきた。
けれど、夏休みひと月前に急に東南アジア出張を決められるような余裕のある教授は、あまりいない。
私は話を伺って、二つ返事で承諾したのだが、他の四人の招待枠は教授たちではなく、卒業生、助手、非常勤講師、博士三年の若いチームとして構成された。
ので、気楽で楽しい。


夜中の一時に羽田を発って、タンサンニャット空港についたのは朝の五時。
それでも、先方の漆画のミン先生が、自ら車でホテルに送り迎えしてくださる。
事前にはあまり知らされなかった日程と、10日間の内容が、何となく今朝になって明らかに。
明日から芸大、ラオスの美大、カンボジアの美大、タイのシュラパコ−ン美大各5名ずつ計20名の先生が、同じホーチミンのホテルで寝起きと三食をともにし、ホーチミン市立美大で絵画制作と展示、そして最終的に3日間のセミナーを行うのだ。
自由な観光旅行ではなく、本当に学校の交流のため。
今日だけが完全にフリーな日だ。


早朝からホテルで残りの睡眠を取っていたが、私と同室の日本画の助手の西岡さんは、けっこう自分とも似通った気質があるのか、そわそわしてすぐ起きてしまった。
ので、炎天下の正午前に近所のスーパーまで二人で出て、初買物。
観光客としてまだ緊張感はあるものの、二人ともすぐにカラフルでキッチュな混合アジアグッズの世界に心奪われ、いろいろ買い込んでしまう。

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by meo-flowerless | 2014-08-17 14:34 |

超絶光速バスツアー

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物凄い風圧と排ガスに自分も布袋みたいにばくばく靡いていた。
空っぽの布袋に透明な光る絵巻がループして貫通していく。
百台ぐらい絡み合った巨大な宇宙シリンダーオルゴールの無数の穴や突起を、延々と自分の頭がギラギラ弾かされていく感じ。
夜の首都高中空を、生身で爆走してきた!


大学の授業で学生を連れて、というよりあの「工場萌え」を世に定着させた大山顕さんに連れられて、この一週間、都市への視覚が激変するような旅をさせてもらった。
集中講義のゲストで大山さんを御呼びしたが、講義も含め二つの都市ツアーは、視覚の切り取り方だけでこんなに高密度の体験が得られるのか、と、圧倒されるものだった。

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by meo-flowerless | 2013-10-13 00:58 |

島日記16

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湿っぽく別れを惜しむような感傷には浸らせない男気のようなものを、なぜか小豆島の海が発散してるから、浸らないことにする。
それでもこの今日は二度ないことも知ってるので、やはり何かを見ておきたいとも思う。
で、夕暮れ立ち寄ったのが白浜の海岸だ。


三都半島の突端、原生林を抜けて辿り着く最後の浜。
大きなフェリーやあらゆる船が眼前で航行する近さに驚いたことを、思い出す。
砂上に流され果てた漂着物たちがみな、静かな白骨のような終末感をたたえていたことも。


五月の陽射しの下で、私は黙々とこの浜で漂着物を採取した。
はじめは真徳の作品の素材集めを手伝うつもりで遊んでいたが、次第に漂着物拾いは麻薬のような快感を私にもたらした。
ものごころもまだないような、小学低学年の無我夢中のなかに精神が帰っていた。

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by meo-flowerless | 2013-08-22 01:36 |

島日記15

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銚子渓のジョンに会いにいく。
ジョンは山のドライブイン「銚子茶屋」に繋がれている犬だ。
愛くるしく見えて実に複雑な素っ気なさで対応する。おそらく老犬なんだろう。
毛玉がごちゃごちゃになった中に、白い下歯が二本だけ目立つのが赤塚不二夫的だ。

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by meo-flowerless | 2013-08-21 01:38 |

島日記14

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この海で泳げるのももう今日くらいか、と。荷物が減り暗くなった部屋で思い立つ。
陽に乾いた緑の森を車がくぐる。
毎日めまぐるしいカーブの揺れにも酔わず、海上を飛んで行くような車との一体感に馴染んだ。
小蒲野の浜に降りていく。
黒ずんだ電柱一本。萎れた夏草。深紅の鶏頭。墓前の造花の薄緑。

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by meo-flowerless | 2013-08-20 09:47 |

島日記13

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「あれがあの人の魂だ」と一目で見分けるために、ひとつひとつ色を違えているのだろうか。
と思うほど、夜の海を漂う精霊舟は、虹みたいに思い思いの光を放つ。
赤い和紙の灯籠の舟、桃色の提灯の舟、青くて既に幽霊みたいな舟、早くも引火して燃え始める舟、海水にあえなく萎れる弱い舟。
生前その人たち一人一人にまったくちがう性格、違う営みがあったように。
家族は思い思いの光をのせて十五日の今夜あの世に魂を送り出す。

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by meo-flowerless | 2013-08-16 00:13 |

島日記12

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盆ですね。
早朝から丁寧に飾られた供花の百合が、すぐに焼け焦げたように茶色になっている。
とうの昔にご先祖たちとはぐれてしまったようなおぼつかぬ我が身でも。
他人の海の他人の祖霊を、静かに想う心持になる。

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by meo-flowerless | 2013-08-14 16:40 |

島日記11

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高速艇は海のタクシーだ。ミシンみたいに一直線に青い海面を縫っていく。
小豆島沖、僅か30分弱。今日は犬島に向かう。犬島もこの夏会期から、瀬戸内国際芸術祭の舞台だ。
巨大な銅の製錬所跡にそそられる。煉瓦造りの巨大な廃墟を、今は美術館にしている。
大企業が総力を入れている島はやはり、集めるアーティスト、施設、観光客の質と量、どれをとってもレベルが違うらしい。それは犬島の港に着いてもすぐわかる。

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by meo-flowerless | 2013-08-13 00:53 |

島日記10

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殺人的な暑さが日々心身を削ってゆくが、人は親切だし食材をどんどんくれるし、一日のうち何回も瀕死になったり再生したり忙しい。
少し病んで寝た日があったが、もう次の日にはあまり知らない島民の方まで、「もう起きれたん?しっかり養生せんと」と声をかけてくる。
すいかもメロンも桃も腹壊すまで食べた。暑気払いに、あとしてないことは何か。
 

泳いでいない。
目の前に、そこら中に、広がるこの美しい海に、未だ入っていないのである。
「盆の間は海に入っちゃいかんよ。連れていかれるんだぜ」
と夫が忠告するので、盆に入る前の今日にもう泳いでしまおうということになる。
遠いショッピングセンターまで行き、水着やシュノーケルを買い込む。
全く泳ぎが巧い訳ではない。ただもう、水に浮かびたい。

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by meo-flowerless | 2013-08-10 17:28 |