画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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2016年10月の夢

2016年10月の夢



10月11日

夏目漱石先生の膝元で働いているが、暗号のような難題を出される夢。
「アイスとして」
と漱石先生は振り向きもせず書斎で一言いう。アイスとして?アイスクリームとして?と思案しながら、爪先ほどの面積に花札柄が記されたホワイトチョコチップの凍らせたやつを、黒い机の上に並べてみている。一つつまみ食いもしている。

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やけに黒絵具でアクセントを入れた白い雪山の油絵がある。空は赤い。絵の前で盲目の絵描きが鉛筆をしきりに噛んでいる。白い雪山の部分が次第に黒ずんでいく気がしてよく見ると、山脈の重なりが細かく一層一層増えていっている。絵描きが鉛筆をぎりっとやるたびに、ひと山脈増えるようだ。
瞬間、ベンっと強く三味線を弾く音とともに、部活の女子高生が「おはよー」「あーおはよー」と甲高い声で言いあう空耳を聴く。

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旅館の部屋のタオル干しを胴体にし飛鳥時代みたいな女髪したのっぺらぼうが、すっと部屋の隅から光って出てくるので、ビクッと身構えたが、「かつら干し」と誰かが耳元で言ったような気がして、ほっとする。しかし不気味なので、その奥の手洗いに入れない。

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雨上がりのグランドの地上20センチを低空飛行しながら、傷だらけのロウセキを持ち、人の足だけ灰色に塗りつぶしている。


10月17日

眩しいくらいの満月の夢。
電線に、赤、青、白、緑の太いロープが絡みついている。
赤と青と白が絡み合いながら結託して、月を縄にかけようとしている。緑はそれに加担しないのを見て「なるほど、緑は夜とグルなんだ。夜の闇は緑ががった黒だもんな。道理で」と思っている。


10月26日


折紙の巨大なこうもりが夕空を舞っている夢。
「上方をぎょろっと見つめながら微笑む真木よう子と中川翔子のちょうど間くらい」の女の顔面を、山折谷折りにした折紙。

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独りで倉敷を旅する夢。しかしこの倉敷はただ薄青いコンクリートの空地が広がるだけで、美観地区も美術館も蔵の町並みも何もない。
秋の柔らかい陽射しに弱々しく虫がないている。青ざめたコンクリートの広大な駐車場のような面積の上に、同じくらい巨大な面積のブリキの蓋が斜めになって被さっている「倉敷」なのである。そのブリキの蓋の際を延々と歩いている。


いつのまにか秋草の野などにでて、一軒の旅館で暇を持て余している。
荒れ果てた廃屋的な庭に巨大な「生け花」が放置されている。二メートル高ほどの立派な壷にいけてあるのだが、見栄えの良くない生け花で、バランスがよくなく今にも倒れそうである。右にせり出した木の枝に、薄青い鶏頭、白いダリヤ、色味の無い別個の花ばかりがぽこぽことまとまりなく咲いている。


部屋に戻るとグラスボウルに深紅の血のような液体が入れてあるのが置いてある。そうか、と思い先ほどの生け花の壷にその赤い液を注ぎ込む。すると、薄青い鶏頭は濁った薄赤に染まり、白いダリアは深紅の斑入りになり、所々に赤みが加わった。
これくらい赤みがなければ、と思いながら見ている。


10月29日

生ぬるい夜風の中、高台の屋敷の屋上にいる。
国籍も不明な、気取ったサロン客のような輩が、屋上から遠い夜の海を見ながら夕涼みしている。デッキチェアで月光浴をする男、私にはわからない言葉でシャンパングラスを傾け合い社交的な会話をする輩。
山を切り崩して階段状に建てられた数階建ての屋敷には、日本風空中庭園や硝子張り茶室などもあるようだ。しかし、よそよそしく寂しい環境である。
自分は誰とも心が通わず、わびしい気持で夜の港町を見下ろしている。


突然物凄くいやな爆音がして、港町の一部から、内臓や腸のようにずるずるとした変な赤い煙が空に引きずり上がっていく。
なにかとてつもない爆発があったらしい。真暗で見えなかった夜の海が、紅色のどろっとした液体に変わっていくのがわかる。その凄惨な色の海を見ながら、見知らぬ老人が「スペインのロバの血のようだ」と言って笑っている。
焦燥しながら同じ屋上にいる人間たちの顔を見回すと、みな先ほどまでのように談笑しながらも、生きているのに死人のような鉛色の体に変わっている。こいつらの存在に何かの感情を託してもしょうがない、という絶望に襲われる。


内臓のような爆発の煙は、瞬く間に空を覆う。私は、何か大事なものを喪ったんだと自分でもわかり、悲しい。最初の消防車がウーとサイレン音を立てながら爆心地に向かうと、屋上の観光客等が「オー」とパラパラ拍手し嘲笑の歓声を上げている。
夜風はまだ生ぬるく吹き、人工庭園の竹林を揺らしている。


:::

観光地の蚤の市で偶然見つけた様々なブローチを皆のお土産にしようと持ち帰ってきた。
鋳物、セルロイド、それぞれ違う素材の奇矯な形のブローチを、どれを誰に挙げるのか机の上に並べて決めていた。
しかしふと目を放した隙に、高校時代の級友のMが全てそれを持ち去ってしまったらしい。


皆の所にいくと、Mが「はい、旅行のお土産」と、したり顔で皆に配っている。
腹が立って、Mの首根っこを掴んで引き摺ってきて、何をやっているのか問いつめる。しかしMは悪びれるどころか憮然と憤慨した顔で、「私が自分で買ってきた土産を配っているだけなのに、何なの!?」と逆に反撃してくる。
押し問答をしているうちにわかったことは、私の旅や土産探しの体験ごと、Mの体験に本当にすり替わってしまったらしい。Mは私の細かい体験談まで皆に自分のことのように話している。しかも私の一番いやな自慢するような口調で、私の心にしまっていた旅の記憶を、変に脚色して人に公開している。


Mがブローチを配ったあと、数個だけ配らないものが残された。セルロイド製の、赤いユニフォームをきたソビエトの体操選手のブローチが残されている。
それをまだお土産を受け取っていない助教のT君にあげた。
「これなんなんですか」とT君は一瞬怪訝そうに笑ったが、私が物凄く不機嫌な顔つきで「T君のイメージだと思って買ったんだ」と言うと、「こ、このウルトラマンみたいなやつがですか....」とブローチに見入ったが、私のただならぬ表情から嘘と察し、ぐっと飲み込んでくれたようで、「ありがとうございます」と笑いながら受け取ってくれた。
by meo-flowerless | 2016-10-01 05:34 |