画家 齋藤芽生の日記


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2016年9月の夢

9月1日

2016年9月の夢






9月1日

爆弾を作る夢。
土をかたく固めた泥だんごを、爆発させたくてしょうがない。
夫に火薬や装置のことなど色々指導されながら、夜明けまで泥だんご爆弾を作る。
垂木を組んで、昔の石つぶての砲弾発射台の用のものを作り、こぶし大の匙の中に泥だんごを詰め、時限装置でポンッと泥だんごが飛びながら爆発する、というものを作った。
未明に展覧会の展示場に、それを設置した。作品なので、出来に満足してしげしげ見ているのだが、やはり逃げた方がいい気もして、逃げる。


夜明けの河原の砂利を必死で逃げているが、走りながら、別の爆弾も作りたくなる。
「粉ラムネの粉末とかココアパウダーとか、駄菓子的な爆弾を作りたい」と、一緒に逃げている夫にいうと、「さっきの泥爆弾の出来を見てからにしようぜ」というので、コソコソと会場に戻る。
泥だんごは壁に打ち付けられて、二十センチ四方くらい泥が飛び散っていた。誰かの作品を破壊してしまったりして逮捕されるかと心配していたが、このくらいなら、まあ、という気もした。


9月7日


私は刑事。何らかの巨大事件を捜査している。男性刑事陣は早々と徒党を組み、私と女性刑事の二人を無視して事を進行する。最初からそれは覚悟のこと。彼らは都合のいいように証拠や伝を独占する。
彼らとは違うルートで裏捜査をする私と、後輩女性刑事。


綿ぼこりの雪舞う、大河沿いの港町に、巨大な廃倉庫がある。証拠になりそうな散乱した痕跡。誰かが何かの薬品を段ボール箱に詰め替えたのだ。その段ボールでタライ船を作って後輩を乗せ、自分は残り段ボールを浮きにして、メコン川のような大河に泳ぎいでる。
「メオさん、私達はどこへ?」
後輩の船を押して泳ぎながら私は言う。「鍵は佐渡にあると思うの。だからタライ舟で行くのよ」
「メオさんは途中で溺れませんか」
「大丈夫よ」
しかし私の段ボール浮きは水を吸ってもう浮きの役割を果たしていない。


「○ちゃんは、新潟県の形を思い出せる?」
「どうしてですか」
「新潟県の洗濯ばさみが佐渡島の洗濯ばさみと噛み合ってる状態が、この抗争の構図なのよ」
「チーバ君の形なら正確に書けますが」「チーバ君…あの赤はいいよね」大河沿いにそんな赤の花の花壇が続く。
「新潟県はつまり地図上の狼なのよ」そして佐渡島は地図上の咬ませ犬…と私は極めてクールに推論を立てるが足は溺れかけており、必死で水を掻いている。焦る気持ちを隠すように「新潟ブルース」を鼻歌で歌いながら泳ぐが、サビのところで、それが「釧路の夜」だったことに気づき、歌いやめる。


9月8日

もう一人の私(もう少し年長)とペアを組み、「知人の実家を突撃してお蕎麦をご馳走になる」仕事の夢。ノルマで、老いたお母様に「今度一緒に蕎麦を食べよう、とのことです」という息子や娘からの伝言を伝えなければいけない。この夢では予備校のときに習ったM先生の実家で冷たいわんこ蕎麦をズルズル食べている。
年長の私は海苔を散らす係り、私は蕎麦をほぐす係りで、お母様に「あんたたち息がピッタリあっているわねえ」と褒められる。私は舌先でも必死でダマになった蕎麦を解し食べつつ、黙ってうなづく。世の人はもっと実家に帰り、両親と蕎麦を食べるべきだ、と痛感する。居間のテレビでは台風のニュースをやっている。老夫婦はそれを楽しそうに観て、バラエティでもないのに、時々笑い声を上げている。


9月23日

美術館バックヤードで滞在制作をしながら暮らしている。楽屋のようなところに10人くらいが布団一枚分のスペースにイーゼルを立て制作している。
同居者たちに俄かに掃除運動が起こり、みるみるうちに彼らの制作場所は美しくなっていく。それにともない彼らの作品も精度の高い絵や立体になり、次々作り終わる。
私の周りだけが無残に散らかり、足の踏み場もない。皆が蔑んで私を見、私の場所を足で蹴ってどかしてしまう。私はピンクと紺のラシャ紙で「犬用シルクハット」なるものを何百も作り散らかしているが、失敗作に自分自身が埋れている。


堕落した私は、皆から放置されている。しかも、着るものがなく裸で、パンツ一丁である。
私の役割がいくつかある。誰かから呼ばれ、トイレの洋便器の水を私が見つめると、水が凍る。何度か、凍らせることを要求される。
もう一つは、暗がりの雑魚寝布団のなかで咳をしている人のそばに行き、じっと布団に手を当て介抱する役目だ。しかし、誰からも感謝されない。


耐えかねて、外に出た。
隣に、ボロボロに崩れ果てた民家の納屋がある。屋根のふちに豪華な赤いフリンジの糸が出ていると思ったら、火だった。納屋は、燃えているのだった。内部は今にも爆発しそうなほど、ドロドロに赤い炎が揺らめいているのに気づき、ぞっと肌が粟立つ。鶴の羽で葺いたという、翼のような廃墟の屋根のふちに、サーっと手品のように火が走っていく。翼が燃えて溶けていく。火は炎の色より暗い、紅色のLED光のように暗く不気味だ。鶴が怒りに燃えているのだと悟る。
恐怖感で声も出ぬまま、必死でそこから離れる。裸でむき出しのわりに、体の内部が不自由で、何故がうまく手足が動かない。やっとの思いで道の角に自分の身を投げ出して、火を避ける。後ろで、今いた部屋が爆発するのを感じる。走れないので、転がりながら逃げる。


涙にくれながら這ったり転んだりしていつの間にかたどり着いた先は、細長い常緑葉が人の髪のように生い茂る、ひたすらそれだけの一面の野だった。ポカンとした広がり、原野の緑の髪がさわさわいうなかで、一人、安堵に喘いだ。
野の真中に、同じ緑の髪の塊が幾百もついた糸杉が、天に届くほどの高さで立っている。美しかった。それもたださわさわと風に揺られていた。静かだった。


9月25日

「二匹の鯉」の姿が超絶技巧的細密で刷られている見慣れない収入印紙に、「オッ」と思っている夢。
by meo-flowerless | 2016-09-01 12:03 |