画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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日記

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東京キネマ倶楽部でのEGO-WRAPPIN'のライブ「MIDNIGHT DEJAVU」を堪能した。
たまに聴きはしてたけど、初めて立ち会ったナマの体験の方が、圧倒的に良かった。凄い完成度。
脳を割る管楽器の破裂。確実な切れ味と伸びのある声。全曲これでもかと仕掛けられる極上の切なさ。


そう!せつない!これでもかと!


会場は、赤いデラックスな内装のかつてのキャバレー空間だった。
半円形の桟敷席から、バルコニーつきのステージを見下ろす。
小柄だが爆弾みたいにパワー秘めた天使の格好の中納良恵が眩しかった。会場の若い人たちのきらきらと憧れる熱っぽい目を、二階の暗がりから見ていた。







開始一時間前から二階席の、あらゆる赤い絨毯柄がてんこもりなソファー空間に席を確保してもらい、新宿コマ劇場以来の昭和感にそわそわする。
いつも鴬谷を通る時、この古くさいビルが気になって写真を撮ったりもしていたのだ。



大竹さんのDJの選曲の絶妙さに鞭打たれ、脳髄液が湧きたつ。大竹さんは「女根の月」で歌詞を提供したのだ。
EGO-WRAPPIN’にとっても夢のようなコラボだった、とステージで中納良恵さんが言っていた。
DJ用に七時間分にもわたって用意された、時代感も和洋も様々な音源の中に、浅川マキの「めくら花」が入っていたが、何故か本当に偶然、ライブの中でも「めくら花」が歌われた。
このときの「めくら花」のアレンジには、本当に今なら死んでもいいと思うほど心奪われた。
茫然と立ち尽くしてしまった。
大竹さんに後で聞いたら、曲の一致は偶然だそうだ。
ずらっと並んでいる音源のタイトルをこそっと皆で後ろからのぞいて興奮した。


彼らのMCの中で、ウラジオストックの人気バンドのゲスト出演でロシアライブをやったと言っていた。
ロシア人はやっぱりこういう感じの、「切ないの」が好きなんちゃうか、結構受けたったな、マイナーコードの曲が掛かるたびに喜んでたな、とも。
わかる。わたしも心はロシア人っす。



切なさを突き詰めるともはや涙は涙になって流れず、「非情」を目指していくんだ、と思った。
命中力のある色気はいつもかならずストイックさとともにあって、またそのストイックは、静寂と言うよりは轟音の果てにある、という感じ。
忘れてはいけないな。久々に乾いた何かが燃えあがる。頭の中まで、照明とともに真赤に染まる。



張り裂ける恋も惨めったらしい失望も幻覚じみた殺気も延々と続く悶えをも、完全に色や音で制御する。かっこいいね!
いま目の前にいる、ちゃんと色の付いた吐息を持った大人たちは、知らず知らず調子に乗せられえらい子ぶるダサ有名人とは、度量も技量も違うんだ、と思った。
暑苦しい苦悶を自嘲しスルーする人生も多いんだろうが、願わくば自分は全部の苦悶を通過したい。そう、ちゃんと悶えながら年老いていこう。
かっこいいものはかっこいい。百の苦悶と百の色彩の前では、薄ら寒い無駄口は禁止だわ。
by meo-flowerless | 2013-12-24 10:15 | 日記