画家 齋藤芽生の日記 Twitter/ @meosaito


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清冽青春旅行

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ここしばらく勤め先の大学で、留学生引率旅行やら、一年生引率旅行やら、遠出していた。
春には古美術研修旅行や個人的な九州旅行で一週間ずつ東京離れ、
大学院研究室の女学生のご自宅を訪ね栃木へ一泊旅行もし、
おまけに今日からは、大学のアートプロジェクトのための取材をするゆえ浅草のホテルに四泊五日で泊まり込む。


私のお家は何処へ行った?。
しかし浮遊感が好きなのである。




大学一年の引率として二年に一度、栃木は那須の研修施設に旅行しに行かなければならない。

那須は有名な避暑地。
木陰の別荘や、チーズファクトリーや、パン工房や、クラシックに統一された焦茶色の看板(セブンイレブンのロゴもモノクローム)など、いかにも!といった現代の観光地の様相を呈している。その分何か風景が退屈でもある土地。


それでも、このブログの一番初めの記事のように、私は隙間隙間に寂れた物件やエリアを見つけては二年に一度那須旅行の自由研究日を楽しんでいる。

二年前に訪れていた、半地下のトホホ空間『ひかり神社』がだんだん立派になっていた....
硫黄臭立ちこめる那須湯本、鄙びた温泉街。
車一台通れるくらいの小道の脇に、ふと現れる地下階段。
下りて行くとそこには、この付近に住む方がLEDで装飾した、ガレージ空間の祠。
祠の横には、皆の憩いの場としてパラソルと椅子が置いてある。

三年前には紅白幕&ブルーシートで出来た即席舞台があって、
それは自作『密愛村』の「ストリップリリーズ」のモデルにもなった。

よく見なければ気づかぬ階段、そこをひょこっと下りて行かなければ誰にも気づかれない。
コンクリートに覆われたこの色鮮やかな空隙は、硫黄分含んだ渓流に面している。
舞台や幕もあるのだが、皆さん、いつ、何に使っている?


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その他に訪れたのは、黒磯と袋田の滝だった。
まず黒磯。
前々から気づいていたが、『栃木県』は私の、偏愛感覚にぴったり合致した地霊力を持っている気がする。県の形のその丸四角さと言い、ねちっこい方言といい......
残るドライブイン(三角屋根タイプ)の数々、看板や道沿いの店の名前の気の抜け方、絶妙なのだ。
看板文字がどれもこれも何となく間延びしていて、人の温もりがこもっている。



そして特筆すべきは商店の「ショーウインドー力(りょく)」「レジ脇雑多ディスプレイ力(りょく)」である。



とにかくとにかく、何でも飾る。
造花を飾る。
小判を飾る。
日々俳句を飾る。
ちっちゃな俵を飾る。
招き猫をいくつもいくつも大小マトリョーシカのように並べる。
折鶴埋め込んだ貼絵を飾る。
松山千春の表札を飾る。
サザエさん一家の行列してる絵を飾る。
商品のパンと一緒に列車のプレート飾る。
手作り大好き、おせっかい大好き。
美しさ可愛さとか統一感とかそんな基準ではなく、とにかくモノ達を「置きまくる」のが好き。



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袋田の滝(茨城)は燃え上がる緑の絶景。
この、絵葉書のように鮮やかな緑、蝉の声、店々のチープな飾りの色彩混在する夏のモザイクは、妙に胸をギューッとさせる。
長きにわたって人を慰安させてきた、安っぽい「観光」というイロモノの言葉の表層感が、私は好きだ。
観光土産に使われている色彩のテクニカラーパレットは、少年少女のワクワク感と、男と女のいかがわしさを同時にかき立てる。

その清濁欲望の数々を吸い込む怒濤の滝壺。
目眩するほど清冽なマイナスイオン。
はー、青い!青くて良い!


研修旅行は新一年生とのやり取りでこちらも緊張するものなのだけれど、今年は今迄で一番楽しかった。芸達者な助手さんや学生の即席バンドに合わせて唄をシャウトさせてもらったり、みんなで輪になって手をつないで、静電気の軽い感電を感じ合ったり...
青春だったな。
今年こそ青春そろそろ終わりかな?と思っているのにまだまだこの青さは続くな。
by meo-flowerless | 2010-07-19 01:54 |